タレントの出川哲郎さんがヤマハの電動スクーター「EC-03」に乗って横浜から日本海をめざす番組『“充電させてもらえませんか?”~ちょいと電動スクーターでガチ40キロ刻み旅』(2014年8月4日から全4回)が、深夜枠にもかかわらず注目を浴びている。

By: lord enfield – CC BY 2.0
ヤマハのEC-03はメーカー公称では時速30キロで43キロメートル走る。出川さんは40キロメートルきざみで充電しなければ先へ進めないという企画は、自分ではやりたくないが見ている分には面白い。道すがら一般の人の家にお願いして充電させてもらいながら進む人情旅が、出川さんの人柄と相まってゆる~い感じの旅番組となっている。
電動スクーターのバッテリー燃費は?
「電動スクーターは電池の持ちが悪い」というイメージが浸透しそうな企画だが、実際のところ低速度で走り続けるのはなかなか難しいし、向かい風や気温などの気象条件、坂道やでこぼこ道など地形の条件もバッテリーの持ちを左右するので、公称よりも持ちが悪いのは当たり前。
また、スクーターの法定速度は原付バイクと同じで時速30キロ。公称は30キロが前提だから、速く走ればその分バッテリーの減りも早くなる。当然ながら搭乗者の体重も関係する。
ちなみにコスト面で気を付けなければならないのは、バッテリーの種類によって寿命に差があるということ。選ぶ際は、そのあたりも考慮しなければならない。
・鉛シールドバッテリー:電池寿命1~2年(充電サイクル250回)
・鉛シリコンバッテリー:電池寿命2~3年(充電サイクル300回)
・リチウムイオンバッテリー:電池寿命5~6年(充電サイクル700回)
ヤマハ「EC-03」24万円前後
ちょい乗り用途を意識したライトスクーター。
・1充電の走行距離:43km(法定速度)
・リチウムイオンバッテリー
G-Wheel「ecolu typeMK」22万円前後
予算や用途でバッテリーが選べる。
・1充電の走行距離:70~80km(体重50kg、法定速度)
・鉛シールド/リチウムイオン 選択式
テラモーターズ「SEED48」12万円前後
気軽に使えそうな廉価タイプ。
・1充電の走行距離:50±5km(体重60kg、法定速度)
・シリコンバッテリー
ホンダ「EV-neo」オープン価格
業務用のリース販売専用車。
<メーカーサイト>
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・1充電の走行距離:34km(法定速度)
・リチウムイオンバッテリー
単純に価格だけで選択するのは危険なようだ。
バッテリーの充電方法・時間は?
バッテリーの充電方法や、満充電までにかかる時間も重要な選択要素。また、取り外して屋内で充電することができなければ、集合住宅での使用は難しくなる。
◇ヤマハ「EC-03」
・着脱不可
・6時間
◇G-Wheel「ecolu typeMK」
・着脱可能
・リチウムイオン2~5時間/鉛シールド3~8時間
◇テラモーターズ「SEED48」
・着脱不可
・7〜9時間
◇ホンダ「EV-neo」
・着脱不可
・3.5時間、急速充電器(200V)は30分
車両の重さは?
もし外出先でバッテリー切れになったら手押しで帰ってこられるかどうかも重要なポイント。バッテリー装着時の重さが公表されているのはヤマハだけだった。ホンダは業務用だけあって重い。
◇ヤマハ「EC-03」
・56kg(バッテリー装着時)
◇G-Wheel「ecolu typeMK」
・54kg(バッテリーを除く)
◇テラモーターズ「SEED48」
・86kg(車両重量)
◇ホンダ「EV-neo」
・106kg(車両重量)
ガソリンエンジンタイプと比較して仕組みが簡単であるため、様々なベンチャーが売り出している電動スクーター。価格もスペックもまだまだ変わっていきそうだ。でも近いうちに電動一色になるのは間違いなさそう。