国境なき医師団のジョアンヌ・リュー会長が2日に出したコメントによると、「世界は(エボラ熱)封じ込めの戦いに敗れつつある」とのこと。

By: Filippo – CC BY-NC-SA 2.0
リュー会長は、感染拡大を阻止するためには世界各国の協力が必要不可欠であるとして、援助を呼び掛けた。
国内のニュースは軽く流している程度だが、海外のトピックスではもっと深刻に書かれている。
アルジャジーラの記事によると「裕福な国が医療慈善事業に介入しない限りウイルスは止められない」「世界が流行の重力(重大性)を無視している」と、資金面も含めて災害援助への関心の低さを訴えている。
また米国疾病管理予防センターのトム·フリーデン氏は、エボラの発生が「制御不能」のレベルに達しているとのコメントを出した。
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要は「世界中でもっと真剣に考えて、資金も援助してくれないと、本当にパンデミックになるよ」ということ。現地に入って命がけで患者を診ている医師団が状況を一番よくわかっているはずだから、これは本当にやばいのかもしれない。治療体制も万全でない、隔離も徹底できないでは、抑え込もうにも抑えようがない。
ただ、国境なき医師団は政治に左右されない自由な医療行為を行えるようにと、もともと政府の支援を受けずに活動する団体。資金は企業や個人からの寄付で賄っている。大国の資金援助があればいいのだろうが、期待はできない。国境なき医師団だけの力でどこまで対処できるのだろうか。
ちなみに国境なき医師団の日本支部にも、派遣に応じられる医師が300人ほど登録されているという。このまま拡大の一途を辿ればお呼びがかかる日も来るか。