サブカルチャーとしてのラノベが未来へ向けて発展していくために必要なこと

日本独自のジャンルであるラノベ(ライトノベル)は、今や書籍の域だけに留まらず、アニメやコミック・ドラマ・映画に影響を及ぼす一大サブカルチャーと言える。

「軽薄小説」「パターン化」と陰口をたたかれるものも多いのは事実だが、中には”現代の名作”と呼ぶにふさわしい作品もあり、何より若者の書籍離れに歯止めをかけた功績は大きく、無視することのできない複合ジャンルになっている。



11月5日放送のNHK『あさイチ』で「お年寄りにこそ電子書籍を」というような話が出ていたが、その中で86歳にしてラノベに目覚めたという男性が登場していた。

書籍で読むのと違い、電子書籍の場合は購入時に店員の目を気にすることもないし、戸外で読んでいても表紙や中身を他人に見られることを気にする必要もない。そういった条件が関わってこその話かも知れないが、高齢者が新しいサブカルチャーであるラノベにハマる可能性があるということは、ラノベの未来を明るくする要素の一つだ。

若者の趣味趣向を垣間見ることで自身の気持ちも若くなり、世界が広がったというこの男性。決して特異な例ではないと思われる。因みに男性が読んでいたのは『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』(村上凛)や『パナティーア異譚』(竹岡 葉月)。


ラノベの未来のためには、いたずらに低俗な方向へ走るのではなく、中高年でも楽しめるような作品に昇華していく意識が必要かもしれない。


ラノベのアニメ化や実写映像化も頻繁に行われている。ラノベに限らず作品の映像化はとかく”原作の雰囲気”や”キャラクターのイメージ”がいかに忠実に継承されているかが大きなチェックポイントになりがちだが、たとえ”原作レイプ”と言われようと映像化という行為がラノベの未来に大きく影響することは事実。一概に否定はできない。

原作もアニメも好評を博した『僕は友達が少ない』が2013年に実写映画化が発表された際の、原作者の平坂読氏のコメントは、ラノベの未来を冷静に見据えている大人のコメントだと感銘させられる。以下Wikiからの引用。

「話を聞くと色々口を出したくなるので映画については(脚本やキャスティングも)一切耳にしていない」、「実写映画向きではないことはわかっているが、ライトノベルの未来を考えた結果やむなく許可した」

製作側には「無理に原作を再現するのではなく、独立した作品として制作してほしい」と伝えた

「言いたいことはわかるが見たくないなら企画を潰そうとせずに無視すればいいし、嫌いなものは嫌いなままでいい」

出来がどうであれ寛容な精神で見守る。原作者がそうするくらいなのだから、ファンも同様、温かい目で観賞するべし。とは言え、どこかのTVプロデューサーのように「原作をそのまま焼き直して実写化することが正義だとは思わない」とか堂々と公言してしまう輩がいるのは悲しい事実。どうも最近の日本は「思っていても口にしない」という奥ゆかしさが無くなりつつある。


桜坂洋氏の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」がトム・クルーズ主演でハリウッド映画になったのは記憶に新しいが、このようにラノベが映画の原作として海外へ輸出される可能性もある。コミックやアニメが海外に受け入れられてきたのと同じように、日本のラノベが海外でも通用するようになるかもしれない。

現段階では翻訳されて海外進出を果たしたラノベで成功した例はない。世界15か国で翻訳されたあの『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川流)をしても、海外版の売り上げは決して成功ではなかったと言われている。ラノベがグローバルになるまでの道のりは長いが、高みを目指す作家が増えていくことで、その集団の力がステージアップにつながっていくだろう。

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