
By: Hiroshi Ishii – CC BY 2.0
『ザ・マシ-ン』という映画を観た人も多いと思う。ロボットが人間の感情を理解することができるかという、SF界の永遠のテーマを扱っている作品で、「ブレードランナーに最も近づいた」という評価も受けた。
この映画に登場する「マシーン」は人間について深く知ろうと努め、ダンスを模倣し、主人公を魅了する。反面、マシーン同士ではマシーン言語でコミュニケーションを図り、人間に悟られないようにして意思統一を図っている。
この映画に出てくるアヴァのように美しいマシーンのダンスならうっとりと見とれてしまうが、実際に目の前でロボットが躍ったり楽器を演奏したりするのを観て、人は感動できるのか。ロボットの奏でる音楽には突き動かされる何かがあるのか。
初音ミクの歌声に心動かされる人も
初音ミクのファンの多くは、その歌声に「人間の歌声にはない魅力」を感じるという。「人間の声を聴くより癒される」という人もいる。
電子的に合成された声ではあるが、そこに人格を垣間見て、ココロを感じている。作られた声に人は感動できる。
「マシーン」のドラマー
ArcAttackという4人組(人間)のバンドには、もう1人ロボットのドラマー「キングビート」がいる。
遠隔操縦が可能なロボットは人が叩けないようなビートを叩いたり、電磁コイルの繰り出す稲光が飛び交う環境下でも正確でパワフルなリズムを刻むことができる。
マシーンが繰り出す正確無比なビートはハートにズンズン響いてくる。これはこれで心地よいと言えるのではないだろうか。
「マシーン」で構成されるバンドも
2台のギターを78本の指で奏でるギタリスト、22台のドラムを駆使するドラマー。3台のマシーンで構成されるバンド「Z-MACHINES」は未来のミュージシャンの姿かもしれない。
このバンドが、有名なエレクトロニック・ミュージシャンSquarepusherと組んで制作したPVがこちら。
人間にはできない演奏から生み出される音楽は、未知のジャンルの誕生を感じさせる。ここにも「マシーン」の音楽の可能性が見える気がする。
マシーンによる音楽活動や芸術活動は、遠い未来ではごくごく当たり前のことになっているかもしれない。アニメ『イブの時間』で主人公の「ピアノの腕でロボットに負ける」不安や苦悩が描かれていたが、それはもはや物語の世界だけの話ではなくなりつつあるのかもしれない。
<<参考サイト>>
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