NHKはときどきやらかしてくれる。視聴率を気にしなくていいという姿勢の表れなのか、盛り上がっているドラマをぶち壊しにかかるのだ(笑)。
文末に(笑)と付けないとシャレにならないほど炎上するときは激しく炎上したりする。誰だってせっかく観るなら楽しく観たいのだ。
『軍師官兵衛』
お市の方役に女優初挑戦の内田恭子アナを起用。起用が発表された直後から「ダメ大河の予感」「悪いイメージしかない」「下手そう」という声がネットで飛び交ったという話があり、その影響なのか出演回の内田アナの登場シーンは極端に短めだったとか。放送後は「短すぎて吹いた」「ほんの数カットでほっとした」という声が。「セリフが下手過ぎてカットされたらしい」という、まことしやかな噂も流れた。
『花子とアン』
脳科学者の茂木健一郎氏を俳優デビューさせた。ドラマの直後の「あさイチ」でゲストの柳澤秀夫解説委員に「なんで茂木さんなの?」と言わしめるほどの出来栄えで、視聴者からは「せっかくの良作を最後の最後で傷つけてる」「雰囲気ぶち壊し」「有料放送のNHKで素人演技を見せるなどもってのほか」など、その棒読み演技には手厳しい感想が相次いだ。
『天花』
演技未経験の藤澤恵麻をヒロインに起用した朝の連ドラ。「演技が下手」「発声がなってない」など酷評が続き、視聴率も2004年当時の歴代最下位を記録。以後NHKでは、素人の主役抜擢には慎重になったとか。
茂木健一郎氏の棒読み騒動に関しては、教育評論家の尾木直樹氏が「素人が俳優やるって本当に大変です!!」と擁護して、火に油を注いだ。でも尾木氏のキンチョールCMは「下品でくだらなくてハマり役」と評判。
視聴者の期待やドラマへの愛着を大切にしているかというと、そんなことより制作側の事情のほうが大切なのがテレビ業界だとか。素人を引っ張り出して視聴率アップを狙うのはNHKだけの話ではないし、庵野氏を声優に起用したジブリのような博打打ちもいる。それでも何度失敗しても繰り返すNHKの思い切りの良さのは、やはりNHKだからなのだろうか。
「NHK朝ドラ初の外国人ヒロイン起用」という、話題性重視とも思える次回作『マッサン』もかなりの冒険だ。日本に嫁いだばかりで日本語がわからない役は、日本語がわからない外国人女優にしか演じられないという発想か。「大コケ確実」という声もあるが、化けるかもしれない。
1984年のNHKドラマ『日本の面影』のジョージ・チャキリスのようにうまくいくといいが・・・。