誰でも認知症にはなりたくない。アルツハイマー型認知症が増え続けていることが連日ニュースになっているけれど、効果のある予防薬や治療薬は未だ開発されていない。今朝もNHKでアルツハイマーの原因究明に関する特番が放映されていた。情報が錯綜している感もある昨今だが、できることはやっておきたいと思うのが人情というもの。

By: Michael Righi – CC BY 2.0
原因物質はアミロイドベータ
アルツハイマー型認知症の特徴は、大脳の委縮が見られること。大脳を破壊している原因物質がアミロイドベータ蛋白。アミロイドベータの持つ毒性は神経毒で、凝結することで脳細胞を死滅させる働きを持つ。アミロイドベータが蓄積されないようにすることが、現在のところでは最も効果的なアルツハイマー予防法につながると考えられている。
アミロイドベータの生成プロセス
アミロイドベータは活性酸素が蛋白質と結合してつくられることがわかっている。活性酸素は体内に取り込まれた酸素がより高い活性(他の物質と結びつきやすい状態)を持つ物質に変化したもの。機能的には身体に有益な働きも持っているが、一般に有害とされている。
活性酸素は生体損傷を引き起こし、老化を促進させる。アミロイドベータの生成もその1つに過ぎない。アミロイドベータの蓄積を抑えるためには、活性酸素の発生を防ぐことが重要だ。
活性酸素が増加する原因
活性酸素は普通に生活している場合でも生成されるが、特に活発に生成されるのは次のような場合だと考えられている。
・紫外線や排気ガスにさらされた場合。
・食品添加物や糖質の過剰摂取。
・喫煙などによる人体へのストレスが続いている場合。
・強い精神的ストレスが続いている場合。
・激しい運動を無理に続けた場合。
個人差はあるだろうが、日常生活には活性酸素の増加の要因がゴロゴロしていることになる。活性酸素を増やさないように心がけるのはなかなか難しそうだ。
活性酸素の増加を防ぐ食生活
食生活の改善で活性酸素の増加を防ぐとしたら、次のようなことに心がけるといいらしい。
・糖質制限をして、高血糖の状態になることを避ける。
・活性酸素を無効化する働きのあるビタミンを多く摂取する。
・活性酸素を撃退する酵素(スカベンジャーと呼ばれる)の生成につながる食品を摂取する。
活性酸素を無効化するビタミン類と食品
ビタミンA | 海藻類(のり・わかめ) 青菜類(ほうれん草・小松菜・パセリ) にんじん・かぼちゃ |
ビタミンB2 | 納豆・レバー・うなぎ・卵 たらこ・すじこ カシューナッツ |
ビタミンC | キーウイフルーツ さやえんどう・ししとう・枝豆 ブロッコリー・ゴーヤ ピーマン・トマト・カリフラワー |
ビタミンE | アーモンド |
活性酸素を撃退する酵素と食品
アントシアニン | 赤ワインポリフェノール ココアポリフェノール |
カテキン | 緑茶ポリフェノール |
ロズマリン酸 | ハーブポリフェノール(ローズマリー) |
アスタキサンチン | 赤い色素を持つ魚介類(サケ・スジコ・イクラ) |
リコピン | 赤い色素を持つ野菜(トマト・スイカ) |
ゴマリグナン | ゴマやゴマ油に含まれる成分(セサミン・セサミノール) |
脳内蛋白質「アイレイ」の薬品化
脳内で生成される蛋白質の一種である「ILEI(アイレイ)」が、アミロイドベータを分解する働きを持つことを、滋賀医大の研究グループが発見し、2014年6月に発表した。脳内で作用してアイレイを増加させる薬品を開発できれば、アルツハイマー治療に大きな効果が期待される。
好きなものを好きなだけ食べて、からだも動かさず、ストレス解消もできず・・・のような生活をしている場合、認知症に限らずともリスクは高まる。自分に合ったアンチエイジング法が見つからない人は、せめて食生活の改善を図るべし。