家を建てたり引っ越したりして、自宅への光回線導入を検討中の人は、今はちょっと待った方がいい。NTT光とドコモのセット割が、幾多の困難を乗り越えて年内に解禁されそうだからだ。

By: かずきち! – CC BY-NC-SA 2.0
「幾多の困難」とは?
今までNTTフレッツ光とドコモのセット割は、市場の独占につながるとして総務省から認可されなかった。電話回線の大元であるNTTとドコモの組み合わせはあまりに強力タッグすぎると判断されていたのだ。ところが近年進んだキャリアの価格競争によりドコモのシェアは減少傾向。2002年度には55.9%あったシェアも2013年度には40.9%まで落ち込んだ。
で、ようやくドコモの手綱を緩めてもいいのではないかという話が進んでいくことに。しかし、そのまま抱き合わせ販売をしたのでは独占禁止法に抵触する。法改正をしない限りセット割はやはり困難。
そこで賢い人たちが考えた方法が、光回線サービスの卸売り。他社がフレッツ光を借り受けて、自社のサービスとして売り出すことを、今秋から許可することとなった。
今までも携帯電話回線の卸売りでMVNO事業が発展していった経緯があり、この光回線卸売りもこれと同じ。これにより他社でNTTの光回線を販売できるかわりに、ドコモでも光回線が販売できるようになる。
「ちょっと待った方がいい」とは?
この改変により、NTTの光回線は2種類のサービスに分かれることになる。正確にはドコモが運営する光回線が新しく誕生する。このドコモフレッツのようなサービスは、現在のNTTフレッツ光とは運営会社の異なる別のサービスだ。そのため、現時点でNTTフレッツ光の契約をしても、セット割を利用しようと思った時にはNTTフレッツ光を解約してドコモフレッツに入りなおさなければならない。二重の手間と経費が生じることになる。
待てるものなら今は待った方がいいのだ。
新サービスはいつから?
年内に解禁されるという噂もありますが、NTTからの公式発表はまだない。もちろんNTT側でもドコモ側でも十分にプランを検討してからのスタートとなるだろう。しかし、NTTとしては早急にスタートしてシェア回復につなげたいのは事実。光回線を借り受けた他社が光とのセット割を開始してからでは遅い。
少なくとも年内に何らかのアナウンスがある可能性は高い。
いくらぐらいの割引になる?
こればかりはドコモの戦略次第。現行他社の例ではauとソフトバンクのそれぞれが実施しているセット割が参考になる。
auのスマートバリューは、auひかりとauスマホのセット契約で、毎月934円~1480円を割り引くサービス。ただしこれは最大2年間で、2年目以降の割引は980円止まりとなる。ソフトバンクは家庭向けのネットとスマホの両方に加入するとスマホの料金が安くなる。
ソフトバンクもスマホBB割の名称で、家庭用ホワイトBBとスマホのセット割(最大2年間で月1522円)を実施している。
ドコモフレッツの金額設定にもよるが、セット割の料金体系がauやソフトバンクよりも魅力のあるものでなければ、それほど大きな逆転劇は起こらないだろう。それだけに、ここはドコモの本気度が試されるところでもある。今後のアナウンスが楽しみだ。