「大阪都構想が住民投票で決まる?!」 正念場なのは市長じゃなくて市民だよね、って話

賛成派と反対派が2年ほど意見をぶつけ合って、最後まで何の決着もつかないまま住民投票で決まることとなった”大阪都構想”。

住民投票は大阪市民が対象だとのことですが、トップがこれだけ意見を戦わせても納得のいく結論が出せなかったものを、大阪市民は5月17日までに自分の意見を決められるのでしょうか。それとももう既に決めているのでしょうか。と、素朴な疑問。


維新一党では通らなかったはずの計画が、一部報道で”橋下氏の衆院選辞退と引き換えに”裏取引で決まったと噂されている公明党の豹変によって協定書までこぎつけた大阪都構想ですが、現在までにそれぞれの立場の人々がそれぞれの見解で、そのメリット・デメリットを懸命に訴えようとしています。でも情報過多というか、何を信じればいいの?という感じです。

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大阪都構想「協定書」の中身

大阪維新の会と公明党の賛成多数で決まった「特別区設置協定書」の要旨はこんな感じ。

  • 大阪市を現在の24区編成から、北区・湾岸区・東区・南区・中央区の5つの特別区に再編成する。
  • 議員定数は北区19名・湾岸区12名・東区19名・南区23名・中央区13名とし(総数は現行の市会議員と変わらず)、特別区議会議員の報酬は現在の市議会議員報酬の3割減とする。
  • 大阪市が損失補填しているアジア太平洋トレードセンター株式会社・株式会社湊町開発センター・クリスタ長堀株式会社の3社の残高を大阪府が負担する。
  • 大阪市の消防を大阪府が管理する。
  • 大阪市立大学を大阪府立大学に統合する。

二重行政をなくし、大阪市の負担の一部を大阪府に移譲することで、大阪府全体を”東京都23区26市5町8村”のように一元管理すれば、全体としてコスト削減につながるんだよ、と簡単にまとめるとこういうことでしょうか。

反対派の主張

デメリットの大きい集権化

立命館大学教授の村上弘氏は2011年にすでに「大阪都は、必要性が小さくデメリットの大きい、集権化である」と主張しています。大阪府に権限を委譲することによる大阪市のサービス(公共交通、大学、病院、美術館、その他)の縮小・廃止への懸念や、大阪府知事の権限拡大による弊害を訴えています。詳細は下記PDFで。

→大阪都構想のウソとデメリットについて(PDF)

→大阪都構想―メリット,デメリット,論点を考える―(PDF)

カジノで大阪は立て直せない

日本共産党の山中智子大阪市議は「住民サービスが良くなるどころか、悪くせざるを得ないことは火を見るよりも明らか」と反対の異を唱えています。

橋下市長が「毎年4000億円」と豪語していた都構想による「二重行政」解消の「効果額」が、実際には特別区への再編とは関係のない市独自のサービス削減や民営化などによるものだったことを指摘し、大阪市を廃止して特別区にしてもそこから生まれる財源はないに等しく、再編コストとして新庁舎の整備費だけで約600億円もかかり、最初の5年間で1071億円もの収支不足が生じると訴えています。

大阪都構想が実現すれば都知事の権限だけで大阪市内にカジノが建てられるようになることもあり、「カジノで大阪の経済が良くなるとは思わない」と釘を刺す指摘も。

→「大阪都」構想めぐる府・市法定協議会山中市議の意見表明 (要旨)

大阪の財政難はさらに悪化

大阪府知事と大阪市長が協調し連携すれば「都」にしなくても二重行政は解消できる、と反対を唱えている自民党大阪府支部。「”何となく良くなりそう・・・”というマヤカシに惑わされてはいけない」「良識ある判断を」と呼びかけています。

大阪都にしても財政難はなくならないどころか、大阪府と大阪市の赤字の合計額8.2兆円に再編コストが上乗せされた大赤字になるだけというのが自民党の見解。大阪都にしなくても、ごみ処理の民間委託などを通じて財政難の解消策は少しづつ進んでいると指摘しています。

→本気で考えよう!大阪の将来 大阪都構想の不都合な真実

賛成派の主張

賛成派というか推進派なのですが、日本維新の会と、一応は公明党ということになっています。主張は維新のサイトに載っています。こんな感じで。

大阪が豊かになる。
・住みよさランキング1位を目指します
・住み続けたい!緑ゆたかな成長する都心
・未来の風を感じる街
・世界に誇れるわくわくゲートウェイシティ
・伝統と先進が織りなす街へ
サービスが向上する。
・大阪市民の税金は、もっと市民に特化した施設・サービスへ投入!
・市民以外の都民も多く使う施設を都民税で運営→市民の負担減

→大阪都構想 -大阪はひとつになって豊かになる-

悩みどころ

この「大阪都構想」が、太閤秀吉公のようなカリスマで人気者で人から愛されるような大人物が推進しているのであれば、一も二もなく賛成できるのかもしれません。秀吉公はブレがないですからね。ブレない人にはついていきたくなります。

維新の橋下氏はどうしてもブレがあります。その辺りが大阪市民の悩みどころかも知れません。

「車を選ぶときにエンジンの仕組みなんか、皆さんは知る必要ない。スピード、安全性、快適性、値段を知ればいい。(大阪都構想に)問題があったら買い替えたらいい」

→大阪都構想攻防 橋下氏 再提案、専決カードも 野党「議会軽視」批判強める

庶民ならみんな誰でも一大決心をして車を購入するので、簡単には買い替えられません。市長ってのは給料がいいからなのか、金銭感覚が・・・。というか、その程度の判断でいいわけがないのに、そう煽ってハードル下げさせようとするのが怖い・・・。

また、”思いつきの人気取り”と非難されることもしばしば・・・。

→橋下市長 タクシー産業つぶす気か

ネットで”「辞める辞める」詐欺”と揶揄されているようなゴリ押しも政治家としてちょっと・・・。どうしたって「言うこと聞かないなら、お母さんもう出てっちゃうから!」って聞こえてしまい、なんだかとても残念。何か1つのことをやり通したいなら、逆切れグセを治した方が好感度が上がると思います。

→大阪都構想:橋下市長、住民投票否決なら政界引退

あともう一つ気になるのは、2014年末の大阪の衆院選投票率。全国平均の52.66パーセントに対して、さらに低い50.67パーセント。何だか住民投票しても半数ぐらいの投票で終わっちゃいそう・・・。そんな懸念は余計なお世話だと跳ね返すためにも、大切な決断なので、5月までにいろいろな意見をしっかり聴いた上で、きちんと自分で判断して投票した方がいいかもしれません。「いつの間に決まったの?」ってことにならないように。

橋下市長が正念場、とか書いてある報道もありますが、正念場なのは大阪市民ですよね。後々住み続けるのは市民・府民なんだもの。


→住民投票5月17日実施へ 大阪都構想

→大阪都構想の協定書、維新・公明の賛成により可決

→大阪都構想:公明党の住民投票賛成「反維新」のはずが驚き

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