アメリカで注目を浴びている2人の女性。脳腫瘍を患ったこの2人は、それぞれが全く異なる選択をしたことで注目を浴びた。「安楽死」と「バスケットボールを通じて生き続ける」という選択である。
安楽死宣言
末期の脳腫瘍で余命半年と診断され、ネットで尊厳死を予告していたブリタニー・メイナードさん(29)は、本人の予告した11月1日、医師から処方された薬を服用して死亡した。
「愛する人に囲まれ安らかに死にたい」
「苦しんで死ななくてもよいと知ったときの安心感は説明しきれない」
自ら命を絶つことを禁じているカトリックの家に育ったメイナードさんの選択は、その賛否を巡って大きな波紋を投げかけている。
アメリカではワシントン・モンタナ・バーモント・ニューメキシコ・オレゴンの5つの州で尊厳死が認められている。メイナードさんはカリフォルニア州に住んでいたが、尊厳死を求めてオレゴン州に転居していた。
→尊厳死予告の29歳女性が死亡 最期のメッセージは「さようなら、世界のみなさん」
バスケットボール
脳腫瘍のため、余命数カ月と診断されたアメリカの女子大学生バスケットボールプレーヤー、ローレン・ヒルさん(19)が11月2日、公式戦デビューを飾り、4得点をマークする活躍を見せて、全米を沸かせた。
「何もかもが驚き。夢がかなった」
「これが最後の試合だとは思わない」
「車いすになっても何があってもチームを支える」
ヒルさんは歩行がおぼつかなくなっており、吐き気や頭痛も激しくなるなど症状が悪化していた。試合は全米大学体育協会の計らいで日程を早めて行われ、会場も1万人収容のアリーナに変更、FOXが異例の生中継を行ったという。
物事の良し悪しを決めたがる人間も多いが、こと宗教が関わってくると格段に話が難しくなる。ヒルさんには尊厳死など選択肢には無かったであろうし、メイナードさんにはバスケットボールという選択肢は無かった。
選択は自由であり、それに対する賛否もまた自由である。ただ、本人の選択はどんな場合であれ尊重されるべきだという気はする。