北朝鮮激怒は当たり前? 話題の暗殺コメディ映画『The Interview』については、一応観てからコメントしたほうがいい

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2014年12月の公開直前に北朝鮮からと思しき妨害工作の被害に遭ったことで、必要以上に注目を浴びた『The Interview』。今となっては北朝鮮が本当に劇場公開を阻止しようとして裏で手を回していたかどうか確かめようもないのですが、一連の騒動は単なるコメディ映画を特別な作品へと昇華させてしまい、北朝鮮の思惑と反対の方向へ転がりまくってしまいました。


この映画が北朝鮮にとってどの程度問題視すべき作品だったかというのは、観ないことには分かりません。で、実際に観てみたところ・・・う~ん、やっぱりダメでしょう、これは。

オープニングのアニメーションからすでに、なぜか踊るパンダとともに登場する馬上のキム首席っぽい人物と、奇声を挙げながらアメリカ国旗を引き裂く北朝鮮人っぽい女性が登場。でも中身と比べたら冒頭の表現なんかディズニー映画並みにソフトです。

ロブ・ロウの薄らハゲを茶化したりマシュー・マコノヒーが山羊とFA○Kだったり、国内のこともイジりまくっている映画。オアソビとして観ればアメリカ的にはOKなのかもしれません。冒頭のアニメで既に中国(パンダ)と混同してるし、北朝鮮に着いた主人公に「コンニチハ」って挨拶させてる時点で日本とも混同してるし・・・、どこまでギャグでやってるのかわからないような単なるB級コメディなんだけどなあ・・・最初の方は。

物語が進むにつれて内容はどんどんエスカレート。ジェームズ・フランコ演じる主人公デヴィッドの無遠慮な軽薄さも手伝ってか、かなり強烈なギャグが飛び交うようになってきます。「主席にはお尻の穴がない」とか北朝鮮の女性高官に言わせたりして、だんだんヤバさが増していって・・・。

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途中から登場する主席、若き身でありながら主席として国を総べる者として普通に悩む好青年っぽく描かれていて、デヴィッドの不躾で率直な質問にもきちんと受け答えて、結構好印象なんですが、それも最初だけ。中盤からはやっぱりちょっと・・・な感じになってきて、終盤では完全に悪役。

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終局へ向かって物語はハチャメチャな展開を重ね、その先に待っているのは、ある意味かなりストレートなラスト。ついにやっちゃったかぁ~、みたいな。

結局最後まで見た感想は・・・「こりゃあ北朝鮮怒るわ」でした。

怒らせるためにつくってますね、完全に。狙って撃ってますね。やっぱり北朝鮮にこの作品を単なるコメディとして認めさせるのは無理だともいます。日本を題材にしてこんな作品つくられたら、間違いなく怒りますし、外交問題に発展します・・・。

つまり今回の問題はそのあたりなのかな、と。

アメリカは間違っても日本を茶化してこんな映画を作ったりはしないということです。北朝鮮が相手だから、ここまで茶化した。フィクションらしからぬフィクションを撮り、神格化されていると考えられている重要人物を人間の領域まで引きずり落としました。あわよくば北朝鮮で本作品を流してもらい、国民の目を開かせようという思惑まであったのではないでしょうか。

実際、それに近いことが実行されつつありました。実行組織は断念したようですが、脱北者の団体が『The Interview』のDVDを北朝鮮へ空からばら撒こうと画策したとか・・・。

これに対して北朝鮮当局が「これ以上、生きて見上げる空も、死んでから埋葬するわずかな土地もなくなるだろう」と威嚇したという話ですが、毎度展開されるこの芝居がかった威嚇自体も、今回の映画のように茶化される要因の一つだと思います。傍で聴いていると”恐怖”よりも”滑稽”さを感じます。

→金正恩氏の暗殺映画、空からDVD散布計画 北朝鮮に

そんなわけで、北朝鮮を徹底的にコケにしている映画っぽいのですが、まあだからと言って妨害工作をしてもいいということにはなりません。映画をつくること自体は制作側の勝手なわけだし、表現の自由は尊重されるべき。でも、やっぱり一独立国を相手にフィクションとは言え、国名人名ともに実名を晒した作品。やりすぎなんじゃないの?と私は正直思いました。

時間があったら観てみてください。時間が無かったら・・・特に観なくても全然大丈夫です、この映画。

→『The Interview』公式サイト

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