3Dプリンターで身体ごと再生 そんなSFチックな時代がもうすぐ来るかもしれない

3Dプリンターの話題と言えば去年半ばあたりは、どこぞの大学職員が拳銃を造って逮捕された事件が印象的だったように思いますが、今年はもう再生医療の話ばかり。ついこの間家庭用が出たかと思っていたら、今はもう、あのディアゴスティーニまで「週間マイ3Dプリンター」を創刊するぐらい一般に浸透しています。本当に、技術の進歩というのは目覚ましいものがあり、驚かされるばかりです。


SF映画では時々見かけますが、将来的には臓器も含めた人体のパーツを3Dプリンターで再生できるようになっちゃうとか。プリンターで細胞を組み合わせると、ちゃんと臓器として動くようになるんですかね。いまひとつ信じられません。



アメリカの再生医療の第一人者である外科医のアンソニー・アタラ氏は早くから臓器再生の研究に取り組み、患者の膀胱片から膀胱を再生させ、患者に移植することに成功しています。世紀の天才と呼ばれるアタラ氏は、2012年の時点で、生きた細胞を使った3Dプリンタによって移植可能な腎臓を出力するための研究に着手していました。

アタラ氏による当時のプレゼンテーションの動画はTEDのサイトで字幕付きで視聴することができます。

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→アンソニー・アタラが語る「3Dプリンターで臓器を印刷する試み」TED

2014年11月に行われた日本臨床外科学会総会においても、「3Dプリンターが変える未来の医療」と題するシンポジウムが開催されました。そこでもバイオ3Dプリンティング技術の4つの段階のうちの最上位に「生体材料(生物学的材料)を使った移植用組織やバイオ人工臓器」が挙げられ、期待の大きさと同時に難易度の高さに焦点が当てられました。

→3Dプリンターで本物の臓器は作れるのか?「第76回 日本臨床外科学会総会」のシンポジウムから
3Dバイオプリンティングの研究は着実に進められていますが、解決するべき課題点はまだまだ多く、実用への道のりは長そうです。



バイオプリンティングが可能な機器を開発している株式会社サイフューズのサイトでは、3Dプリンターで生体素材を作成する様子を動画で見ることができます。人間の手では到底不可能な微細な細胞の組み合わせ作業を、プリンターは苦もなくやってのけます。

今は血管などの生体素材が主ですが、いずれはプリンターで心臓などの臓器が、目の前で見る見るうちに作られていくような時代が来るのでしょう。

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2013年には中国で、移植可能と思われる腎臓のミニチュアが製造されて話題になりました。本物と同じ機能を持ち、細胞の生存時間は4か月とのこと。画期的な成功例として世界中の注目を集めました。臓器移植を必要としている患者にとって、未来を照らす明るい光となるニュースです。

→移植可能な腎臓を3Dプリンタで生成、中国の研究者が成功させる

日本では2015年1月に、富士フィルムと東大病院がタッグを組んで、ヒトのコラーゲン由来の成分と患者の組織から培養した細胞とを組み合わせ、3Dプリンターを駆使して皮膚や骨、関節等の移植用パーツを短時間で量産するシステムを確立したと発表しました。5年後には実用化されるとのこと。

→ニッポンのすご技!3Dプリンター×ヒトのコラーゲン、幹細胞で移植用組織 感染症回避 東大病院と富士フイルムなど技術開発/5年後の実用化目指す

このような目まぐるしい変化ぶりを見ていると、富士フィルムに限らず、これから5年くらい後には再生医療の分野はとんでもなく進歩しているような気がしてきます。



最終的にはSF映画のように人体を直接再生しちゃったりするのでしょうか。リュック・ベッソン監督の『フィフス・エレメント』ではミラ・ジョヴォヴィッチ扮するリー・ルーは、腕の一部から全身を再生されて息を吹き返しました。最近の映画ではマット・デイモン主演の『エリジウム』に、負傷者をきれいさっぱり元の姿に再生する医療機器が登場します。現実の世界でも、人間が目指している究極の医療システムは「目の前で見る見る治っていく」ようなデカい3Dプリンターなのかもしれません。

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