聖バレンティヌスに「何の日?」って言われそう・・・バレンタインデーの本来の意義とは?

バレンタインデーがどんな日かということは、今更説明するまでもありません。でも、その由来のあやふやさはハンパではありません。根強い”義理チョコ崇拝”に悩まされている女性たちや、アンチ・バレンタイン運動を推進する男性たちは、この謎の習慣を何とか廃止しようと毎年頑張っています・・・が、なかなか難しいようです。


聖ヴァレンティヌスの話にチョコは無関係

バレンタインデーの由来である聖ヴァレンティヌス(ウァレンティヌス/ワレンティン/ヴァレンタイン)は、3世紀頃に実在したキリスト教の司祭だと言われています。一般的に伝えられている話は次のようなものです。

紀元3世紀頃のローマでは、若い兵士たちが戦争に出たがらなくなっていました。原因が「愛する者と離別したくない」という若者の気持ちにあると考えた皇帝クラウディウス2世は、兵士の結婚を禁止するという強硬手段に出ました。

兵士たちを気の毒に思ったキリスト教の司祭ヴァレンティヌスは、インテラムナにあった自分の教会で、皇帝には内緒で兵士たちを結婚させていました。しかしそのことが皇帝にバレて、ヴァレンティヌス司教は逮捕・収監されてしまいます。

収監中にクラウディウス2世からローマ宗教への改宗を迫られたヴァレンティヌスは、それを拒否し続けました。ヴァレンティヌスの収監中、看守の召使をしていた目の不自由な娘が彼の世話をしていましたが、娘はヴァレンティヌスの話を熱心に聞いているうちに目が見えるようになりました。その奇跡に驚いた娘の家族はキリスト教に改宗しました。

ヴァレンティヌスの噂が広がることを恐れたクラウディウス2世は、西暦269年の2月14日、彼を絞首刑に処しました。キリスト教界ではこの日をヴァレンティヌスの殉教日とし、聖ヴァレンティヌスは人々から”恋人たちの守護聖人”として崇められるようになりました。

聖ヴァレンティヌスの逸話には、残念ながらチョコレートは全く関係ありません。ただ、彼が「禁令に背いてまで兵士たちの結婚を祝福し続けた」ことと「処刑されてもキリスト教を捨てなかった」ことは、人々の深い感動を呼び、長く語り伝えられることとなりました。

なお、ヨーロッパでは2月14日を「愛の日」と名付けて、配偶者に贈り物をする習慣が現在も続いています。

聖ヴァレンティヌスの話は”作り話”?

ところが、この感動の物語は史実と異なる点が多く、後の世に作られた寓話であるというのが近年の通説となっています。

すっかり悪役にされているクラウディウス2世ですが、実際には結婚を禁止した事実はなく、しかもキリスト教などのローマ宗教以外の宗教にも比較的理解のある皇帝だったと言われています。いわゆる”寛大な皇帝”だったようです。

しかもカトリック教会では1969年の典礼改革で、実在が明らかでない聖人たちが整理された際に、聖ヴァレンティヌスも聖人から除外してしまいました。彼が実在したことを証明できないため、公式に”いなかった”ことにしたのです。

それ以降、残念ながら聖ヴァレンティヌスは聖人ですらなくなり、復帰することなく現在に至っています。

2月14日というのも”作り話”?


カトリック教会に存在を抹消されてしまった聖ヴァレンティヌスですが、ギリシャ正教会の方では更におかしなことになっています。

正教会の記録には3世紀に実在したワレンティンという名の2名の殉教者がいるのですが、この2名は迫害とかとは一切関係なく、天命を全うして聖人となった人たちでした。しかも2名とも殉教日が2月14日ではなく、7月とか8月の日付になっていました。そのため正教会では2月14日を特別な日とする習慣がなく、聖ワレンティンが愛の殉教者だったというような解釈も全くありません。

恋人たちがお互いの愛を確かめ合い、その幸せに感謝する日というイメージならば、聖ヴァレンティヌスの日として祝う意義は大いにあると思いますが、”誰彼かまわずチョコレートを配る日”というのは、聖ヴァレンティヌス本人も「チョコ?ナンデ?ボクシラナイヨ!」とビックリ仰天でしょう。それなのに、調子に乗って「ギブミー!」と叫ぶ職場のオジサンたちに義理チョコを配らなければならない女性たちの気の毒なことと言ったら・・・。

アメリカなどでさえも「アンチ・バレンタインデー」のカードが売れ始めるようになり、アンチのイベントが開催されるようになってきました。日本では相変わらずこの時期になると「バレンタインデーのおススメチョコ特集」みたいなキャッチフレーズが登場して、チョコレート売り場が特設されます。いつまで煽ってるの?という感じですね、ホント。

本来のバレンタインデーとは、聖ヴァレンティヌスを追悼し、愛する者同士が自分たちの幸福に対して感謝の心を捧げる「愛の日」のはずなのですが、なぜか義理チョコに頭を抱える女性や、チョコをもらえなくて肩身の狭い思いをする男性を生み出す「愛を感じられない日」になってしまっています。

チョコを渡すなら本命の人だけに渡して2人で一緒に食べて祝えば、それでいいじゃん・・・と思いますけど。職場のオッサンや、好きでも何でもない人にチョコを渡して何を祝えというのやら。

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