チョコレートを食べると記憶力や集中力が向上するとか、脳のアンチエイジングにつながるとか、認知症予防にいいとか、いろいろ言われていますが、バレンタインデーにもらう義理チョコには、はっきり言ってそのような効果は期待できません。
チョコレートにそういった良い効果が期待できるのは、様々な研究で明らかになっています。でも、チョコレートの中の何の成分が有効なのかを理解していないと、単なる「糖分の撮り過ぎ」で終わってしまいます。

By: tomosuke214 – CC BY-NC-SA 2.0
いい仕事をするのは「ココアフラバノール」
チョコレートの原料であるカカオを粉末加工したのがココアですが、ココアに含有される”ココアフラバノール”がアンチエイジングに一役買っています。
軽度認知障害を持つ高齢者を対象とした実験では、高フラバノール食品の摂取が認知機能の改善に明らかに効果があるという結果を得ています。
→軽度認知障害を有する高齢者におけるココアフラバノール消費を通じて認知機能、血圧、およびインスリン抵抗性の利点(英語)
また、コロンビア大学メディカルセンターの調査では、3カ月の調査期間中に高フラバノール飲料を摂取し続けた人々は、フラバノール含有量の少ない飲料を摂取した人々よりも記憶力テストの成績が良かったという結果が得られました。
→The Scientific Case for Eating More Chocolate
つまり、記憶力や認知機能を向上させたければ、チョコレートを食べるというよりも、ココアフラバノールを摂取するということを意識しなければ意味がないということです。
甘さよりもカカオ含有量
ちなみにチョコレートのココアフラバノール含有量は、カカオ含有量のパーセンテージで判断するのが手っ取り早いようです。
一般的にはカカオ含有量が70パーセント以上のチョコレートが有効とか。逆に言えば、70パーセント以上のチョコレートを選ばなければ、アンチエイジング作用は期待できない、ということになります。
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チョコレートはカカオが多ければ多いほど苦味や酸味が増すので、ビターな大人好みの味になります。当然ながら甘くてまろやかなチョコレートのイメージとはかけ離れていますので、甘いもの好きな人にとってはほとんど別物に感じるかもしれません。
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カカオにはポリフェノールも多く含まれているので、高血圧や動脈硬化の予防にもつながります。また食物繊維も含まれているので、カカオだけ食べる分には体にいいことばかり。でも砂糖やミルク、バターなどを混ぜないことにはとても食べられたものではありません。
どうせ食べるなら砂糖とミルクがたっぷり入った甘いチョコレートを、という人も多いと思いますが、巷で騒がれているチョコレートのアンチエイジング効果を考えた場合は逆効果だということを頭に入れておいた方が良さそうですね。