警察現場では取り調べの可視化が着々と進められています。しかし不適切な取り調べというものは決してなくなることはなく、警察庁による19日の発表では、2014年中に32件確認されたとのこと。公になっていないものも含めるともっと多くなるのではないでしょうか。
罪もないのに疑われて無理やり自供させられたりしたら・・・と一般市民の不安は常にそこにあります。冤罪は警察の歴史上、いつの時代にも発生していますから。大阪府で知人を殴った容疑で取り調べを受けた80代の男性が「不当な取り調べを受けた」として苦情を申し立て、結果的に無罪となりました。不適切な取り調べの具体内容は次の通り。
「すいません、やりましたって、一言言ってくれたらそれで済む。あんまり言うと自白の強要になるな」
「あんたがウソついてるんやろ、認めたくないんやろ、答えろ。あんたのことや、答えろ。どっちやねん。黙りこくって生きていける世の中ちゃうの、知ってるやろ」
「さっさと認めろ」
「考えろ。これは命令やで」
文面だけ見ると、警察というよりほとんどヤ○ザの脅しのようで、ビビってしまいます。
また、同じ大阪府警で、交際相手の長女に暴行したとして逮捕されていた女性(22)に対し、取調官が威圧的発言をしたと報じられ、問題視されています。
その発言は次のようなものだとのこと。
「警察を敵に回したらいい。とことんやってやる」
「遊びに来ているのと違うぞ」
確かに、最近の警官は敵に回したら何をするかわかりませんからコワいですね。
世の中が犯罪者だらけで警察としてもいちいち被疑者の人権に配慮していられない、ということなのかもしれません。しかも最近は警察官による殺人や暴行、幼女誘拐などの凶悪な犯罪が多発していて、味方が足を引っ張りまくっている状態。おそらくはまともに犯罪捜査ができる状態ではないのでしょう。
本当に無実なのであれば、市民が警察から身を守るためにやれることは、唯一、取り調べ中の録音・録画なのでしょうね。取調官に対抗するには、市民側も相手を疑ってかからなければなりません。それなりの準備が必要です。
「基本的には可視化に賛成」としている元敏腕刑事の小川泰平氏が、オフィシャルブログで次のように語っています。
警察現場では可視化について、そのメリットよりもデメリットについての方が多く議論されるそうです。
・黙秘権を認めた取り調べで、容疑を否認している被疑者にどこまで厳しい取調べが出来るのかという疑問。”なまっちょろい”取調べになるのではないか。
・ちょっとでも大声を出したり怒鳴ったりしただけでも、自白の強要・脅迫だということになると、取調官は本来の取調べが出来なくなるのではないか。
小川氏いわく「落ちるときは淡々と諭している時」。実際の取り調べでは怒鳴ったり諭したりという、いろいろなやりとりがあると。
警察現場ではもっともな懸念なのでしょうが、最初から疑われた状態で取り調べを受ける人間にとっては、自白させようとあの手この手を使ってくるプロを相手に耐える方が難しそうです。そういう目には遭いたくないものです。
任意でも何でも、事情聴取に録音は必須のようです。
→小川泰平、取調べの可視化について物申す!(元敏腕刑事の「取調室」)
「パパが交通事故に遭って病院に運ばれた。すぐに来てくれない?」
自分の受け持ちエリア内で女児を誘拐しようとした群馬県警の警察官は、職務で使う個人情報が記載された「巡回連絡カード」を悪用して、女児を名前で呼んだり父親の名前を出して騙そうとした疑いがもたれています。ネットでは
「これからは警官に声かけされたら 通報しとくかな」
「これは訪問巡回きても拒否しよう」
「さあ、誰を信じればいいのでしょうか?」
「警察妄信も大概にしとかないと 結局痛い目見るのは自分らだぞ 」
と、警察不信の風が吹き荒れています。
警察としては「人を見たら疑ってかかれ」なのでしょうが、逆に市民にとっては「信用するに値しない」現在の警察。自分が痛い目を見たくなかったら警官への期待は捨てて、自分で自分を守るべく努力するしかない?