2016年5月28日夕方に北海道七飯町の山林で、父親に「しつけのため」と置き去りにされた、小学2年生、田野岡大和くん(7)。道警函館中央署や消防など180人態勢での捜索が行われたにもかかわらず発見されず心配されていたが6日後の6月3日に無事保護された。この騒動は”発見”報道で人々が安堵したことはもちろんなのだが、同時に日本中に様々な波紋を投げかけた、問題視する声も多く挙がった。
置き去りは”人に石を投げる”ような行為を反省させるため
父親が息子を置き去りにした理由は「しつけのため」。男児がその日の昼間に行った、近くの公園で小石を人や車に投げつける等の行為について反省させるために、一時的に置き去りにした。車でいったんその場を去り、5分後に徒歩で戻った時には男児の姿はなかった。
この父親の行為について、世間では様々な反応が見られた。
「躾で置き去りにされるのって普通じゃないの? 私もやられたよ」
「ふつうのしつけではどうにもならなくてエスカレートした結果かも・・・」
「しつけは子より親の方に必要なのでは?」
「これも一種の虐待だろ」
「見えなくなるところまで放置しちゃいけない」
「助かったことと、置き去りは別問題」
「息子が許すかどうかは関係無い」
捜索中にすでに「保護責任者遺棄容疑に該当するのでは?」との指摘も。
→北海道・七飯の7歳児行方不明1週間 捜索あす打ち切りへ(毎日)
無事に発見された男児を称賛する声が挙がるも・・・
男児は陸上自衛隊駒ヶ岳演習場内にある無人の宿泊棟で寒さをしのいでいたという。6日間は水だけで生活していたらしい。
男児本人の談によると、置き去りにされた後に泣きじゃくり、方向感覚を失い、父親の車が去った方向とは反対の山側に進んでしまったとのこと。
→大和君 泣きじゃくり 方向見失うも「誰かが必ず助けに来てくれる」(スポニチ)
「6日間1人でいたとしたらすさまじいサバイバル能力だな」
「普通の子どもは夜の闇とか孤独とか怖れるけど… 」
→北海道・小2男児の超絶「サバイバル」能力 7日目に自衛隊演習場で無事発見(J-CAST)
ただ、置き去りにされた直後の男児の様子については、本人と父親の間で若干の食い違いが見られる様子。
→北海道七飯町 男児を2度置き去りか 父親、再び車に乗せ遠くへ(函館新聞)
また、男児には知力もあったという報道も後付けで登場。
「できる子の答案の名前だけ消して自分の名前を書いて提出しちゃうような“ちゃっかり屋”」だとのことだが・・・。
→【北海道・置き去り】大和くん奇跡の生還生んだ体力と知力(東スポ)
男児発見後に謝罪した人々
再会した父親が病室で謝ると、男児は「許すよ。お父さんが優しいから許す」と話したという。
→「お父さん優しいから、許すよ」「お母さんのハンバーグ食べたい」小2男児、健康状態良好(産経)
教育評論家の尾木直樹氏は自身のブログ内で父親の発言を疑ったことを謝罪。
→尾木ママ、批判殺到した置き去り騒動に関する発言謝罪「行き過ぎた」(マイナビ)
ネット上では”様々な憶測”をしていた人々が一斉に謝罪。
素朴な疑問を呈する声いろいろ
今回の件については「無事に発見されたから良かった」と全てを済ませるには波紋が広がりすぎた模様。
北海道警察は今回の件について、心理的虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告。今後は児童相談所が両親などから話を聞いて調査をすることになるという。
また当然ながら、素朴な疑問を感じる人々も数多い。
「子供は”ごめんなさい”が言えたのか?」
「30日に自衛官が見回った時には小屋の中には誰もいなかったって言ってるのに・・・」
「逆方向に歩いてただけなら、当日探した時にすぐ見つかりそうなもんだけど」
「昼間は外に出て人を探そうとか思わなかったのか?」
「6日間水だけでけろっとしてるのはおかしい」
そして、これからを案じる声も。
「親と一緒にいるのに、人や物に石を投げる7歳っていうのが なんとも不思議」
「他人事ながらこの家族の今後が心配」
ハッピーエンドで終わらせるには大きすぎた反響。今後のケアは男児と両親の両方に必要、との声も多い。家庭内のしつけ騒動が必要以上に注目を浴びてしまった一家の災難は、これからが正念場なのかもしれない。