NHKのアニメ『精霊の守り人』で初めて上橋ワールドに触れた人は「原作ラノベ?」と思うかも知れないが、原作者の上橋菜穂子さんは、今や日本を代表する児童文学作家とまで言われている立教大卒の文学博士(詳しいプロフィールはWiki参照)。
とにかくすごい作家さんです。びっくり。
インテリ児童文学作家としての経歴のすごさ
立教大で文学博士号を取得。
→女子栄養大学助手。
→武蔵野女子短期大学非常勤講師。
→川村学園女子大学講師。
→川村学園女子大学児童教育学科教授。
壮大なファンタジーを頭の中で構築できる人はやはり並の人ではありません。
著書は受賞作ばかりというすごさ
主な作品のほとんど全てで何らかの賞をもらっているのが凄い。
「月の森に、カミよ眠れ」日本児童文学者協会新人賞
「精霊の守り人」野間児童文芸新人賞
「闇の守り人」日本児童文学者協会賞
「神の守り人 来訪編、帰還編」小学館児童出版文化賞
「狐笛のかなた」野間児童文芸賞
野間児童文芸賞というのは講談社の創始者である野間清治氏に因んだ賞なんですね。歴代の受賞者には松谷みよ子、佐藤さとる、まどみちお、坪田譲治、谷川俊太郎などの名前が挙げられます。
国際的にも認められているというすごさ
上橋菜穂子さんは2014年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞してます。国際アンデルセン賞作家賞は言わずと知れたハンス・クリスチャン・アンデルセンの名を冠する、児童文学界のノーベル賞とも言われる大賞です。
歴代の受賞者は、アストリッド・リンドグレーン(『長くつ下のピッピ』など)、エーリヒ・ケストナー(『エーミールと探偵たち』など)、トーベ・ヤンソン(『ムーミン』シリーズ)、まど・みちお(詩集や童謡『ぞうさん』『いちねんせいになったら』など)と、大物揃い。まさにノーベル賞級。
かっこいい女性像を書かせたら一番!のすごさ
上橋菜穂子さんの作品の大きな魅力の一つに、”強くやさしい女性像”があります。現代文学界で”強い女性像”を書かせたら、上橋菜穂子さんの右に出る者はいないでしょう。『精霊の守り人』のバルサのような武人として心身ともに鍛え上げた強さ、己の過酷な運命に果敢に立ち向かうエリンのしなやかな強さは、読む者の心をつかんで離しません。
また、トロガイ師やコルマ・エサルのような、主人公を導く役割を担う女性たちにしても独特な力強さを持っています。
上橋さんの作品に登場する女性はみなそれぞれに強さを持っています。ヘタレな男は出てきても、弱い女性は出てこないのが上橋ワールドです。
魅力的な作品は魅力的な作家から生み出される、ということをつくづく実感します。アニメ化やコミック化も進み、『精霊の守り人』の実写ドラマ化も決定している上橋菜穂子さんの作品の世界。今後どこまで広がっていくのか楽しみですね。
<アニメ『精霊の守り人』>